金融知識

リスクゼロ?「リスクフリーレート」についてわかりやすく解説

今回は「リスクフリーレート」をテーマにして、投資をする際の心構えなどについてお話します。

リスクがゼロ?リスクフリーレートとは

さて、まず「リスクフリーレート」とは何かという点についてから始めましょう!

みなさんは「リスク」と聞いて何を思い浮かべますか?

危険に会う可能性」「失敗する可能性

というマイナスイメージをもたれた方が多いのではないでしょうか。実際、一般生活の中で登場する「リスク」はだいたいそんな意味で使われていますし、認識されています。

ところが、投資や金融において「リスク」とは、期待する利率などに対する確率のブレを意味します。

例えば…

一年で10万円の利益を期待していたものが、5万円しか利益が出なかったり、思った以上の15万円も利益が出たり、期待していた値に対してのブレのことを「リスク」といいます。

投機的な投資で爆発力を求めることもあるとは思いますが、普段から長期的に投資やなどで資産運用して資産を計画的に増やす上では、

「思ったより儲けが出なかった…」や、「思いがけず儲けが出た!」というのは必要なく、期待通りの、予定通りの結果が欲しいわけですね。その場合、あまりブレがない方が好ましいわけです。

そこで、今回紹介する「リスクフリーレート」は、そんなリスクがゼロ、あるいはかぎりなくゼロに近い金利のことを言います。

ブレがゼロな金利リスク フリー レート

ということです。

リスクフリーな商品

さぁ、そんなリスクフリーな商品って本当にあると思いますか?

「世の中そんなに甘くないんじゃ…投資って怖いし」

投資に対して抵抗をもっている人だとそう感じるかもしれません。ところが、そんな投資商品は実際にあるんです。

国債です。

別の記事で債券の説明をした時に登場しましたね。
国債を買うことで、国にお金を貸してあげるものと覚えておけばいいでしょう。

そんな国債のなかでリスクフリーレートとして私が設定しているのが、アメリカ国債の10年債です。

実際にみなさんも投資をするときは、アメリカ国債をリスクフリーレートと設定して、投資をしてみてください。

なぜアメリカ国債なのかというと理由は簡単で、アメリカは未だにGDP(国内総生産)が世界一だからです。

少し乱暴な言い方になりますが、世界で一番儲けている国とも言えるでしょう。そんな国が発行している債券なわけです。

これは、IMF(国際通貨基金)のデータベースを元に賢人がつくったグラフですが、これは日本・中国・アメリカのGDPの推移をあらわしています。

縦軸はアメリカドルです。

このグラフを見てみると、近年日本は停滞し、中国は目覚ましい発展を遂げていますが、アメリカと比べるとその差がどれだけ大きいかわかりますか?

ちなみに、この3国がGDP世界1〜3位です。
こんなアメリカが借りたお金を返せなくなるほどの状態になると思いますか
しかも、たった10年で。

思いませんよね?

むしろそんなことになれば、アメリカどころか世界中の経済が破綻してしまうでしょう。

もちろん、「アメリカ大陸に隕石がー」とか、「世界的な気候異常でー」なんて可能性もゼロではありません。

でもそんなこと予想できません。予想できないことは考えるだけ無駄ですから、考慮に値しません。

つまり、そういった可能性を排除すると、世界一儲かってる国が発行して保証しているわけですから、リスクはないと考えていいでしょう。

さて、これを書いている2018年5月現在、アメリカ国債10年の利回りは約3%です。(ここ数ヶ月はアメリカの長期金利が上昇傾向にあるため普段より少し高めですね)

つまり、年間で約3%は、ほぼリスク無しでお金を増やすことができるということです。

まとめ

リスク(確率のブレ)かぎりなくゼロにちかい利回りのことをリスクフリーレートと呼びます。

私がリスクフリーレートとして設定しているのは、現状アメリカ国債10年です。年間3%はほぼノーリスクで確実にお金が増えるわけです。

投資は怖いと思ってる方でも、これなら比較的安心して資産運用として始められるのではないでしょうか。

……さて、お気づきになられましたか?

日本でみなさんが目にする様々な金融商品。
利回り3%よりも低いものが多くありませんか?

投資やお金を増やす目的なのであれば、リスクフリーレート以下の金融商品を買うのは、ナンセンスであると言えるでしょう。

だって、リスクのない商品よりも利回りが低いなんて……ねぇ。投資や資産運用をして資産を増やす目的で、そんな利率の金融商品は買わないようにしましょう。

今回は私の設定しているリスクフリーレートを参考に紹介しましたが、何をもってリスクフリーと考えるかは人によって変わることもありえます。

もちろん、私の紹介したアメリカ国債を基準にすることもいいですし、自分で色々考えて設定してもいいです。とにかく、そのリスクフリーレートを基準に投資を行うことで、その投資対象の利率やリスクに対して冷静に比較、判断できるようになると思います。

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