海外積立投資

【海外積立投資】ITAとPAの元本確保型を比較してみた

こんにちは賢人(けんと)です。

海外積立投資において、「元本確保型」の商品は非常に魅力的です。

海外積立投資は、基本的に中〜長期の運用となる場合が多いです。「海外積立年金」なんて紹介されることもあるのはそういった理由からです。

別に年金みたいに受給開始年齢なんてありませんし、商品や会社によっては満期を迎えた後も引き出さずに運用を続けることも可能です。

もちろん、場合によっては5年や7年といった比較的短い期間での積立も可能です。年齢や家族構成に応じてこうした年数の判断を行うと良いでしょう。

ただ一方で、複利の効果を最大限に生かすのならやはり10年以上の長期になるでしょう。すると短〜中期と比べて「なんとなく不安」になってくる人は多いでしょう。

こうした不安に対して、この元本確保型の商品というのは非常に魅力的と言えます。

現在、日本人が契約可能な海外積立商品で「元本確保」が存在するのは

の2社が提供する商品のみです。

ともに15年で140%の元本確保型商品ですが、果たしてどちらがいいのか比較して検証していきます。

元本確保と元本保証の違い

まず、「元本確保」と「元本保証」の違いについて認識しておく必要があります。

元本保証とは

「元本保証」とは、全ての運用期間および払出時において、元本割れしない(元本の額が減らない)ことを保証することをいいます。

例えば、銀行預金などが原則的に元本保証となっています。

銀行の元本保証の場合は、1000万円まで

  • 銀行自体が預金者に対して預金元本を保証する
  • 銀行が万一破綻したとしても、預金保険機構が支払不能に陥った銀行に代わって元金を保護する

という制度をとっていますから、決して預け入れた金額が減ることなく、元本保証されているとなります。

ただし、これはあくまで銀行の場合は、銀行がこうした仕組みを取り入れているからこそ元本が完全に保証されています。

原理的には、元本保証というのは

あくまでも相手がそう言っているだけ」です。

それを担保する制度が無ければ何も意味がないので、安易に元本保証という言葉に惑わされてはいけません。

賢人もいつも言っていますが、可能な限りどのような仕組みで保証されているのか等を知るようにしましょう。

元本確保とは

元本確保とは、主に満期に最低限元本を払い戻せる方針のもとに運用されている金融商品のことです。

厳密には、元本保証とは違い100%の保証ではありませんが、複雑な計算や仕組みで元本金額をしっかり確保できるようになっているため安心できると言えるでしょう。

ただし、元本確保の場合は、全ての運用期間において元本割れしないわけではありません。基本的には満期時の場合のみに元本が保証されるので注意が必要です。

原理的には、元本確保の場合も元本保証と同様に

あくまでも相手がそう言っているだけ」です。

しかし元本保証に比べると、どういった仕組みで満期時に元本を確保しているのかを把握するのは困難なことが多いです。

こうした商品の多くは専門家らが複雑な計算や複雑な仕組みを考えて実現していることが多いので、素人には中々簡単に理解できません。

なので、そういった場合は、その元本確保を行う会社がどんな会社なのか、外部を用いるのであればそれがどのような会社なのかなどをしっかりと把握しましょう。

ITAとPAの元本確保型商品を比較してみた

インベスターズトラスト(ITA)とプレミアアシュアランス・プレミアトラスト(PA)の元本確保型商品といえば、

  • インベスターズトラスト
    (Investors Trust Assurance/通称 ITA
    S&P500 Index
    (S&P500 インデックス)
  • プレミアアシュアランス・プレミアトラスト
    (Premier Assurance Group・Premier Trust/通称 PA
    Provest Principal Protection
    (プロベストプリンシパルプロテクション)

の2商品があります。

まずはこれらの商品内容について単純に比較してみましょう。

商品名 S&P500 Index Provest Principal Protection
最低拠出金 年間2,400ドル〜 年間2,400ドル〜/ユーロ/英ポンド/豪ドル
投資期間 10年、15年、20年 15年、20年、25年
契約可能年齢 10年 18〜60歳
15年 18〜55歳
20年 18〜50歳
18〜80歳
元本確保 10年 100%
15年目が終了した時点で支払額 140%
20年目が終了した時点で支払額 160%
15年目が終了した時点で支払額 140%
20年目が終了した時点で支払額 150%
25年目が終了した時点で支払額 160%
選択可能インデックス S&P 500 S&P 500
MSCI ACWI IMI
S&P Asia 50
FTSE 100
EURO STOXX 50
MSCI EAFE
MSCI Emerging Markets IMI
MSCI World
※このうち最低20%から最高で5つ選択可能(途中変更不可)
死亡給付金保障 アカウント評価額の101% 解約返戻金の101%
年間管理手数料 10年プラン 2.0%
15年プラン 1.7%
20年プラン 1.1%
時価総額の1.90%
プラン手数料 毎月10ドル 毎月5ドル
スプレッドチャージ インデックス変動幅の2%
資産管理手数料 毎月アカウント残高の0.125%
クレジットカード手数料 無料 無料
解約手数料 イニシャルユニット(初期積立期間)残存期間分相当額 解約時の残存契約年数に基づく年間管理手数料と同額
ロイヤリティボーナス 1〜10年目の拠出金7.5%
11〜15年目の拠出金7.5%
16〜20年目の拠出金5%
1〜10年目の拠出金10%
11〜15年目の拠出金8.0%
16〜20年目の拠出金8.0%
21〜25年目の拠出金 8.0%
一部解約 イニシャルユニット期間終了後、純現金価値2,400ドルを最低維持額として一部解約可能。一部引出しの最低額は600ドル。手数料はかからないが、元本確保が無効になる 原則不可。プロテクションが無効になる。

こうしてみてみると

「えーと…いろいろ手数料あるけど、結局手数料ってどっちが安いんだろう?

となりますよね。笑

この表からわかることは、

運用成績が芳しくなく、元本確保の最低額だった場合、

15年では、どちらも同額で元本確保140%
20年では、S&P500 Indexが元本確保160%なので有利

といったくらいでしょうか。

気になるのは、実際にかかる手数料でしょうから、それはこの表を見ただけでどちらが手数料負担が大きいかはわかりません。

実質的な手数料をシミュレーションで比較

では、実際手数料はどちらが安いのかをシミュレーションから比較しましょう。

[15年]元本確保型商品を運用した場合

200ドル(年間2,400ドル)
年利
15年運用

で運用された場合のシミュレーションが以下の通りです。
※公式のシミュレーションでは、PAのほうがスプレッドチャージ(2%)、ITAのほうが資産手数料(1.5%)が考慮されていないので、今回のシミュレーションでは、PAは7%で、ITAは7.5%でシミュレーションしてあります。

PPP SPX SPXライダー
1 $2,380.50 $2,376.42 $2,496.42
2 $4,880.32 $4,894.59 $5,134.59
3 $7,507.81 $7,539.73 $7,921.61
4 $10,271.92 $10,324.43 $10,859.77
5 $13,182.21 $13,251.95 $13,952.26
6 $16,248.91 $16,323.95 $17,201.60
7 $19,482.96 $19,541.23 $20,609.53
8 $22,896.09 $22,903.57 $24,176.82
9 $26,500.82 $26,409.56 $27,903.12
10 $32,710.58 $31,856.35 $33,586.75
11 $36,907.70 $35,774.46 $37,759.46
12 $41,351.31 $39,832.63 $42,091.33
13 $46,058.67 $44,023.05 $46,575.97
14 $51,048.23 $48,335.41 $51,204.62
15 $57,299.75 $53,656.58 $56,865.80

PAとITAの元本確保タイプに通常通りの契約をした場合は$4,000近くの差が出ました。

これが手数料の差です。

……とは言っても、PAとITAではかかっている手数料の種類が違うので明確に比較が難しいんですけどね。

単純なシミュレーション上だけで比較するのであれば、手数料を考えるならば、元本確保型商品で15年間の運用を行う場合は、

Provest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)のほうが優れているということになります。

ここで気になるのは、表の右側にあるITAライダーという項目だと思いますが、それは以下に。

[補足:少し細かい話]
インベスターズトラスト(ITA)では、契約形態にベース契約とライダー契約という2種類の契約方法があります。

簡単に言うと、
ベース契約=ITAの投資が初めての人向け
ライダー契約=すでにITAで投資をしていて、さらに別の契約がしたい人向け

という違いがあります。

実は、ライダー契約を行う場合は、手数料が割り引かれる(厳密にはプラン手数料が割引になる)というリピーター特典のようなものがあります。

今回の比較でのITAライダーという項目は、このライダー契約を行った場合のシミュレーションです。

これでもまだ一応PAのProvest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)のほうが優れていますが、差は非常に小さくなっています。

……が、ここで問題なのはPAのスプレッドチャージという手数料です。

この手数料は厄介で、毎月のインデックスの変動幅に対してかかります。

今回は単純に2%として引いてますが、かかる対象が変動幅なので、仮にインデックスが10%下がればこの10%分に対して、10%上がれば10%分に対して2%の手数料がかかります。

この上がっても下がっても変動幅に対して手数料がかかってしまうので、手数料が想定しにくいのが欠点です。

なので、15年の場合は、

  • 単体契約の場合はPA
  • 他の契約とライダーでできる場合はITA

くらいの認識でOKでしょう。

※契約年数や毎月の拠出額によって変動しますので、検討されている方がいらっしゃる場合は、年数と金額を教えていただければシミュレーションで比較します。

[20年]元本確保型商品を運用した場合

200ドル(年間2,400ドル)
年利
20年運用

で運用された場合のシミュレーションが以下の通りです。
※公式のシミュレーションでは、PAのほうがスプレッドチャージ(2%)、ITAのほうが資産手数料(1.5%)が考慮されていないので、今回のシミュレーションでは、PAは7%で、ITAは7.5%でシミュレーションしてあります。

PPP SPX SPXライダー
1 $2,380.50 US$2,376.42 US$2,496.42
2 $4,880.32 US$4,910.64 US$5,150.64
3 $7,507.81 US$7,596.13 US$7,972.30
4 $10,271.92 US$10,439.76 US$10,968.98
5 $13,182.21 US$13,454.35 US$14,148.07
6 $16,248.91 US$16,646.91 US$17,517.49
7 $19,482.96 US$20,024.36 US$21,085.05
8 $22,896.09 US$23,593.45 US$24,858.51
9 $26,500.82 US$27,360.64 US$28,845.41
10 $32,710.58 US$33,132.09 US$34,853.04
11 $36,907.70 US$37,448.47 US$39,423.30
12 $41,351.31 US$41,990.00 US$44,237.77
13 $46,058.67 US$46,761.83 US$49,303.00
14 $51,048.23 US$51,768.27 US$54,624.85
15 $57,299.75 US$57,912.64 US$61,108.28
16 $62,981.56 US$63,464.55 US$67,024.69
17 $69,013.79 US$69,262.26 US$73,214.23
18 $75,420.96 US$75,305.16 US$79,678.35
19 $82,229.32 US$81,590.68 US$86,416.68
20 $90,426.96 US$88,714.02 US$94,026.79

20年の元本確保額は、
S&P500 Indexが160%
プロベストプリンシパルプロテクションが150%

のため、運用が悪く元本確保の最低額になってしまった場合

20年間の拠出学48,000ドル×150%=72,000ドル
20年間の拠出学48,000ドル×160%=76,800ドル

と4,800ドル(約48万円)ほどS&P500 Indexのほうが上回ります

ただ、20年の場合も、

  • 単体契約の場合はPA
  • 他の契約とライダーでできる場合はITA

くらいの認識でOKですが、元本確保の%を考えるとITAかなぁというところですね。。

[25年]元本確保型商品を運用した場合

200ドル(年間2,400ドル)
年利
25年運用

PPP
1 $2,380.50
2 $4,880.32
3 $7,507.81
4 $10,271.92
5 $13,182.21
6 $16,248.91
7 $19,482.96
8 $22,896.09
9 $26,500.82
10 $32,710.58
11 $36,907.70
12 $41,351.31
13 $46,058.67
14 $51,048.23
15 $57,299.75
16 $62,981.56
17 $69,013.79
18 $75,420.96
19 $82,229.32
20 $90,426.96
21 $98,191.12
22 $106,451.46
23 $115,242.72
24 $124,602.05
25 $135,529.22

S&P500は、20年が満期となるためシミュレーションできません。

一応、プロベストプリンシパルプロテクションで25年間運用された場合が以下の通りです。

まとめ

いかがだったでしょう。

15年では、PAのProvest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)が手数料で有利なのもののライダーならITAもいい感じ。

20年では、PAのProvest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)が手数料で有利なものの、元本確保の最低額となった場合、ITAのS&P500 Indexのほうが有利

という結果になりましたね。

手数料だけでみると以上のような結果になりますが、

賢人的には、これらの商品を比較する上で重要なポイントが実はもう1つあります。

それが選択可能なインデックスです。

ITAのS&P500 Indexは、その名の通りS&P500しか選択できません。つまり、完全にアメリカ頼みの運用となります。

PAのProvest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)では、8つのインデックスの中から最大で5つ(最低20%)まで選択可能です。

いくつか組み合わせることでアメリカのみに頼るリスクを回避することができます。

このことからも、元本確保型商品については、賢人的には基本的にProvest Principal Protection(プロベストプリンシパルプロテクション)を選ぶことをおすすめします。

が、最近ITAも別のインデックスに連動する商品が出てきました。

なので、ITAでもPAでもどちらでも良い感じです。

あとは、年数とライダー契約できるかどうかが大事になります。

とはいえ当然、年齢や家族構成など状況によってどのようなプランが最適かは人によって違ってきます。

賢人はこうしてシミュレーションを出したりして具体的な数字を比べながら比較したりもできますから、気になる方は連絡ください。

賢人は営業マンではないので、売りつけたりはしませんので安心してください。むしろ状況を聞いて「やらないほうがいいです。」っていう可能性もあります。

というのも、海外積立投資はその性質上長い時間の付き合いになります。

その間、おそらく様々な出来事が起きうるのです。

近しい人が亡くなったり、転職したり、結婚したり、様々な要因で家庭の経済状況は変わってきます。

例えば、今回比較した元本確保型の商品は、解約せずとも、一定期間未払いが続いたり、停止や減額、引き出しをしてしまうと元本確保が外れてしまいます。

そうなってしまっては、勿体なさすぎるので、しっかりと計画性をもって資産を投じる必要があります。

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